在籍出向の場合を想定します(移籍出向では、出向元との労働契約が破棄されていますから、今記事のような問題はそもそも発生しません)。
一般的に該当社員は出向先の労働条件に従うことになりますが、出向先の労働条件が出向先より劣る場合はどうでしょうか?
たとえば、1日の労働時間が出向元は7時間、出向先は8時間としましょう。いずれも法定労働時間以内ですから合法となります。
出向そのものに本人の同意が必要であることは、すでにご説明した通りです(こちら)。したがって、出向先の労働時間が出向元より長いことについても、本人は同意しているはずです(又は、あえて異を唱えなかった)。
出向先の労働条件が法律違反であるような場合は論外ですが(たとえば1日の労働時間が9時間であるとか)、そうでなければ、「合理的な範囲での出向形態」ということとなり、特に問題はない、との結論になります。
就業規則の根拠がない場合は出向を命ずることができない場合もありますので、ご注意ください。
※弊事務所は、ブラック企業の味方は一切致しません!