先日上げた「ブラック企業の証し〜こんな会社は危ない〜」は求職者目線で書いたものですが、今日は同じことを会社目線で書いてみましょう。ズバリ!「こんな会社はブラック扱いされる!」です。
こんな会社はブラック扱いされる!
① 求人サイトやハローワークにいつも求人を出している
人を採っても採ってもすぐに辞めてしまう、仕方なく頻繁に求人を出す、悪循環ですねー。もちろん人は必要ですから求人を出すことを止める気はありませんが、それとは別に、「なぜみんなこんなにすぐに辞めちゃうんだろう」ということを考えましょう。必ず理由があるはずです。
② すぐ採用する
とにかく人材が欲しいので1回や2回ぐらいの面接ですぐに採用してしまう。気持ちはわかりますが、求職者には「こんなにすぐに採用するなんて、この会社だいじょうぶ?」と思われます。また、「採用リスク」を忘れてはなりません。慌てたあまり変な人を採用して後悔したとしても、日本では解雇は極度に難しいのです。下手をすると、泥沼の労使トラブルが待っていますよ。
③ 即戦力を求める
「あなたならうちの会社ですぐに戦力になっていただけますよ」という表現、求職者を持ち上げるつもりでつい言ってしまいがちですが、う〜ん、止めた方がいいです。なぜなら、言われた求職者は、「あれ?この会社、人を育てる気がないのかな」と思ってしまうからです。
④ 非正規従業員が多い
飲食店や工場などのもともと非正規従業員(パートや期間雇用者など)が多い職種なら良いのですが、そうではないのに非正規が多いと、「ん?辞めさせることを考えてあえて非正規で採ってる?」と思われます(まあ、だいたい実際そうだと思いますが)。実は、正規でも非正規でも解雇の難易度はさほど変わりません。マイナス印象を与えるぐらいなら、正規で採用した方が良いでしょう(その代わり、試用期間は必ず設けましょう)。
⑤ 雇用契約書がない
某お笑い系の会社が雇用契約書を一切交わしていないことが話題になりました。いや、法律的にはなくても良いのですが、法律は法律、人の感情は別のものです。今どき、雇用契約書も交わさない会社に人は来ない、と心得ましょう。
⑥ 就業規則を見せない
面接のときに「就業規則を見せてください」と言われて、「入社後に見せますよ」とか「うちは就業規則を公開してないんです」とか言ってないですか?会社は就業規則を従業員へ周知する義務があります。したがって、「公開してない」は論外ですし、求職者であって従業員ではないとしても、請求があったら堂々と見せるべきです。もしもですが、「見せては困る」ことがあるとしたら、ものすごく問題です。即刻適正な就業規則へ改定を行いましょう。
⑦ 有給休暇の取得率が低い、残業が多い
最近の求職者は、このような待遇面を面接で細かく聞いてきます。「なんだ、こいつ、仕事する気あるのか」なんて考えているようでは、面接官として落第と言わざるを得ません。
多くの求職者は(例外もあるということです)、働く意欲満々です。しっかりがんばって働きたいからこそ、待遇面が気になるのです。だって、毎日夜中まで働かされて身体を壊したら、がんばって働くこともできなくなってしまうじゃないですか。
聞かれたときに、もちろんですが嘘を言うことはできません。日頃から働き方改革に取り組み、ワークライフバラスの取れたレベルの高い会社を造っておくことが大切です。
⑧ 商品の自腹購入がある
これは止めた方がいいです。
⑨ 定額残業代を導入している
一定時間分の残業代を基本給に組み込んでしまう制度です。一定時間は30時間とか40時間ぐらいが多いです。仮に30時間とすれば、残業時間が30時間に達するまで会社は残業代を支払わないで良いということで、特に中小企業で導入割合が高いです。
でも、よく考えてみてください。残業代を「30時間に達するまでは支払わなくて良い」は事実ですが、逆に「30時間に達しなくても30時間分を必ず支払わなくてはならない」ということなのですよ。そう、決して会社にとって特になる制度ではないのです。さらに、次の弊害もあります。
・30時間を超えた分は別途支払わなければならない。
⇒これを支払ってなくて裁判で負けた会社が多くあります。要注意!
・給与計算がやたら複雑になる。
⇒30時間を超えた分を別途支払わなければならない+休日・深夜労働をどう扱うか)
というわけで、定額残業代は、決して「会社側に有利」な制度ではありません。にもかかわらず、定額残業代を導入していると「あ、この会社は残業代を払いたくないブラック企業だ」とのレッテルを貼られてしまう可能性があります。定額残業代はできれば止めた方が良いです。
いかがでしょうか。何気なく取っている行動や何気なく入れた制度などによって、あなたの大事な会社がブラック認定される要因となっているかもしれません。一度腰を据えて、ご自分の会社の体制を見直してみたらいかがでしょうか。
※弊事務所は、ブラック企業の味方は一切致しません!