労働者は、「労働法」によって守られています。

 

まず「労働法」についてですが、「労働法」という名称の法律があるわけではなく、労働基準法を始めとしたさまざまな労働関係の諸法令に通達や判例を加えた、一連の法体系のことです。

 

さて、労働法は、どんなふうに労働者を守ってくれるのでしょうか。

 

労働基準法第1条1項は、次のように謳っています。

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

労働基準法(労働法も基本的に同じ)は、労働者に「人たるに値する生活」を保障することになっています。

 

「人たるに値する生活」とは何でしょうか。

 

実はこれが難しい。だって、明確な定義など作りようがないですから。一応、参考となる規定等をご紹介しておきます。

 

〇憲法第25条1項

 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

 

⇒そもそも憲法25条1項を受けて労働基準法は作られたので、労働基準法第1条がいう「人たるに値する生活」は、憲法第25条1項がいう「健康で文化的な最低限度の生活」とほぼ同義と考えて良いでしょう。

 

〇 通達(S22.9.13発基17号)

 「人たるに値する生活」は、標準家族の生活も含めて考えるべき。

 

⇒労働者に家族がいる場合は、家族も含めて「最低限の生活」が確保されなければ意味がない、ということですね。それはそう、当然のことです。

「標準家族」は、「一般的な構成の家族」という意味でしょう。たとえば、子が10人いる世帯については、別に考えましょうということ。

 

というわけで、労働法が労働者に保障するのは、「最低限」の生活です。そのために労働法は、もろもろの最低限の労働条件等を定めています。

 

労働基準法を例に取ると、たとえば労働時間。

 

会社と労働者は利害の対立する存在ですから、おのおの次のように考えます。

〇会社

 労働者をできるだけ長い時間働かせたい(給料はできるだけ少なく)。

〇労働者

 できるだけ短い時間しか働きたくない(給料はできるだけ多く)。

 

会社は組織、労働者は個人ですから、どうしても会社の方が立場が強く、放っておくと労働者は1日24時間働かされてしまいます(もちろん、極論ですからね)。

 

それでは到底「最低限の生活」とは言えませんので、労働基準法は、「会社が労働者を働かせることができる上限時間」を定めました。労働基準法という法律が定めているので、これを「法定労働時間」といい、「1日当たり8時間、1週間当たり40時間(一部の例外あり)」です。

 

この意味は、「1日8時間、1週間40時間までは働かせて良いけど、その時間を1分でも超えて働かせることは認めないよ」ということです(残業などの例外はいろいろあります。今日は原則論でお話ししています)。

 

罰則規定も設けられていますので、会社としては仕方なく自社の労働時間を「1日8時間、1週40時間」までに抑えることになり、結果、労働者の最低限の生活が確保される、という理屈です。

 

労働基準法は、他にも休憩時間、休日、年次有給休暇等々、さまざまな「最低限の労働条件」に関する規定を定めることで、労働者の保護を図っています。

 

今日覚えていただきたいことは、「法律が保障するのは最低限よ」ということです。これが何を意味するかは、明日お話することにします。

 

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