新型コロナウィルスの感染蔓延で、解雇や雇止めなどが多く起きています。今日は、この問題について考えてみましょう。

 

公平性を確保するために、次の2つに分けてお話しします(話の複雑化を防ぐために、整理解雇に限定します。)。

1.一般的な整理解雇規制について(労働者保護の内容)

2.新型コロナウィルスの感染蔓延が広がる現状での規制の考え方について(使用者にも配慮した内容)

 

1.一般的な整理解雇規制について

解雇には、大きく分けて会社都合による解雇である普通解雇と労働者の非行に伴い行われる懲戒解雇があります。会社が業績の悪化等を理由に行う解雇を整理解雇といい、普通解雇に含まれます。

 

解雇は、合理的な理由がなければできません。「労働基準法第20条の解雇予告をすれば自由に解雇できる」は、よくある勘違いです。解雇予告は単に解雇の際の手続きであって、解雇の効力とは別のものです。

 

合理的な理由については、個々の案件ごとに裁判所などが精査することとなります。

 

過去の裁判例により、整理解雇の場合は、会社側に厳しい条件が課されています。すなわち、次の要件をすべて満たすこと(4要件)

① 人員整理がどうしても避けられない状況にあること

② そんな状況下でも、解雇回避のための努力を尽くしたこと

③ 被解雇者の選定が合理的であること

④ 労働組合や該当労働者と真摯に話し合ったこと

 

つまり、「整理解雇には、どうしてもその労働者を整理解雇しなければならない必然性が必要である」ということです。4要件の一つでも満たしていない場合は、当該労働者は会社と戦えるし、勝利できる可能性が高いこととなります。

 

戦い方は、自分一人では厳しいので、労働組合(外部労組含む)、労働局、社会保険労務士、弁護士などを頼ってください。

 

2.新型コロナウィルスの感染蔓延が広がる現状での規制の考え方について

現在は非常事態です。このような状況においても上で書いたような原則論を振りかざして労働者擁護を訴える専門家が多いようですが、それは少し違うのではないかと思います。

 

いや、当然ですが、非常事態下においても労働者保護は必要です。その点に異論を唱えるつもりはありません。ただ、このような異常な事態となった場合は、使用者側の擁護も合わせて考えるべきではないか、つまりは、「バランスが必要」なのではないかと思うのです。

 

平時であれば、「本当は整理解雇を行う必要はないのでは?」と仮定して全体を俯瞰して良いと思いますが、今はさすがに仮定を変えて、「もしかしたら整理解雇が避けられない状況にあるのでは?」とするべきです。

 

その上で、「本当に避けられないのか」「4要件をすべて満たしているかどうか」の検証を行うべきではないでしょうか。非常事態下であるにも関わらず平時と同様に「徹底的な労働者保護を!使用者は不当解雇をやめよう!」といったスタンスで事に当たるのは、(専門家ですら)真実を見誤ってしまう危険性があると考えます。

 

今大切なことは、誰かを悪者にすることではなく、皆で協力し合ってこの未曽有の危機を乗り越えることではないでしょうか。

 

いろいろ書きましたが、私は誰を批判したいわけではなく(増してや、特定の誰かを批判していません。)、皆の権利を平等に保護したいだけなので、誤解なきようお願いします。

 

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