労働契約のお話。

労働契約が「会社と労働者との労働条件に関する契約」であることぐらいはみんな知っていますが、その性質、種類、期間の長さの制限等の「具体的な話」になると、「よくわからない」という方が多いのではないでしょうか。

 

今は、パ−トや有期契約で従業員を雇用することも多いでしょうから、労働契約の正体をしっかり把握しておく必要があります。そうじゃないと、知らないうちに法律違反を犯してしまいますよ!

 

論点が多いので、何回かに分けて解説します。今日は、「文書が必要か否か」

 

結論から言うと、労働契約は文書不要です。口頭で有効に成立します。



え!?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな大切な契約が契約書ではなくて口頭なんていい加減なものでいいなんて、ありえない〜!と思われますよね。

でも、契約って、そもそもそういうものなのです。不動産やお金の契約だって同じで、口頭で全然良いのです(保証契約などを除く)。

 

趣旨としては、「口頭といういい加減な方法でもOK」ということではなく、「わざわざ文書を作らなくても、口頭だろうがなんだろうが有効とすることによって、契約者を保護するため」ということです。そう考えると納得ですね。

ただし、労働基準法第15条により、会社は従業員に対して、
労働条件を明示する義務を負っているので、要注意です。

絶対的明示事項
・労働契約の期間に関する事項
・期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
・就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに就業時転換に関する事項
・賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

・退職に関する事項(解雇の事由を含む)

相対的明示事項
・退職手当に関する事項

・臨時の賃金、賞与、最低賃金に関する事項

・食費、作業用品等に関する事項
・安全・衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項

・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

・表彰及び制裁に関する事項
・休職に関する事項

絶対的明示事項は書面で(昇給に関する事項を除く)明示しなければなりません。相対的明示事項は口頭でも良いです。

 

あれ、絶対的明示事項は書面って、さっき労働契約は口頭でいいって言ったじゃん!といぶかしがるあなた、そう、そこ大事です!よくぞ気づいてくださいました。

 

先に言っておくと、「労働契約は口頭で良い、でも、労働条件のうちの絶対的明示事項は文書必要」は正しいです。間違ってません。

 

そしてこれ、全然矛盾じゃないんですよ、なぜかというと、労働契約と労働条件明示義務は法的にまったく別のものであるから。この辺が法律の難しいところであり、面白いところでもあるんですね。

 

いいですか、労働契約というのは、「会社と従業員の労働条件に関する契約」のことです。「ザ.契約」です。これは、口頭でも全然良いのです。

 

一方、労働条件の明示義務ってのは、契約そのものとは関係なくて、「新しく雇った従業員に労働条件をちゃんと教えてあげなさいね」ということで、会社に課せられた義務なのです。

 

まあ、労働条件を教えてもらえなかったらいろいろ困りますものね。「じゃあ、明日〇〇時に来てね〜」と言って(文書で渡して)もらえなかったら、朝何時に起きたらいいかもわかりません。

 

それほどに大切な労働条件なので、そこは文書で出してちょうだいねー、が法の趣旨だということです。

 

ちなみに、上記の明示事項がすべて網羅されているのであれば、就業規則の交付でも良いとされています。現実的には、就業規則を交付してそれで足りない部分は辞令等で示す会社も多いようです。

 

私としては、トラブルを防ぐために、明示事項をすべて網羅した労働契約書をきちんと交わすことをお奨めします。

 

次回は、パートや有期契約労働者の労働契約について話します。お楽しみに。

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