ブラック企業の意味?
「和民」の元従業員が過労自殺した件で、両親が「ワタミフードサービス」、「ワタミ」、社長であった渡辺氏などを相手取り、約1億5300万円の損害賠償を求めて提訴しました。
現時点で断定的な発言はできませんが、残業時間が国が定めた過労死ライン(月80時間)を大きく超えていたことは事実であり、会社側には相応の非があったと見るべきでしょう。
これ以降は一般論として語ります。
「ブラック企業」という言葉があります。ご存知の通り、労働法を無視して従業員を酷使する企業の意です。その観点から、企業を大まかに分類してみましょう。あえて大胆な分類を試みますので、大雑把な論調となることをお許しください。
〇優良企業
労働法を遵守し、従業員を大切にする企業。従業員と共に成長するという意識が強い。
〇ブラック企業
1.意図的、恣意的に従業員を酷使する企業。従業員を使い捨ての駒としか考えていない。
2.経営側に従業員を酷使する意図はないが、伝統的に残業が多く休日も少ない企業。「従業員を大切にしたい」との意識はあるが、顧客との関係などの理由により優良企業への転換は困難である。
「優良企業」や「ブラック企業」の1については今さら言うべきことはありません。注目すべきは「ブラック企業」にも2のようなパターンがあるということです(厳密には、“ブラック企業と誤解されている”ということですが)。
我が国では、伝統的に「お客さまは神様です」との意識があります。顧客のわがままはすべて聞かなければならない。それがサービスであり仕事とはそういうものである・・・。
そんな社会的慣行が、サービス業の時短&優良企業への転換を極端に難しくします。
〇だって、お客様が夕方6時を過ぎてから仕事をくださるんです。
〇だって、夕方以降対応しないなんて言ったら、競合他社に負けちゃいますよ。
経営者としても優良企業への転換を図りたい気持ちはやまやまですが、(当然ですが)会社を存続させることが最優先事項ですから、結局何もできずにただ手をこまねいていることになります。
労働法を守らない企業を「ブラック企業」として糾弾することは簡単ですし、そうすべきだとも思いますが、そのような企業も存在することを忘れてはならないと思います。