労働契約のあれこれ④です。今日は派遣労働者のお話。
派遣労働者も労働者ですから、派遣で働くということはイコール「会社と労働契約を結ぶ」ということです(これまでお話してきた通り、特に文書は不要)。
でも、派遣労働者は、派遣元企業と派遣先企業という2つの会社と関わりますよね。労働契約はどちらと結ぶのかとか、法律上の責任の所在などはどうなっているのか、が今日のテーマです。
〇労働契約はどちらと結ぶの?
労働契約は、派遣元企業と結ぶことになっています。派遣先企業とは指揮命令関係があるのみで、労働契約はないとの考え方です。また、労働契約そのものではありませんが、派遣元企業と派遣先企業は、「労働者派遣契約」を結んでいます。
※労働者派遣契約ひな形(途中まで)
〇法律上の責任の所在は?
労働契約は派遣元企業とのみ結んでいますから、労働基準法等に基づくさまざまな責任は派遣元企業が負います。ただし、働くのは派遣先企業ですから、日々の労働から生ずる労働条件等に関する責任(具体的な労働条件、休憩、休日等)については、派遣先が負うこととされています。
〇労働条件明示義務は?
すでにご説明した労働基準法第15条の労働条件明示義務は派遣労働者についても適用されますから、派遣元企業は必要事項をきちんと明示しなければなりません(絶対的明示事項は書面による)。
また、派遣法という法律により、派遣料金についても書面明示が必要とされています。